両親が太っていれば子どもの3分の2が肥満児
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子どもには太りやすい時期が3つある
文部省の学校保健に関する調査では、この10年間で子どもの肥満(標準体重の20%以上)は約2倍にふえているといわれている。子どもの肥満は、そのまま大人の肥満になりやすく、成人病につながってくるので、注意が必要だ。
子どもの肥満が大人の肥満になりやすいのはなぜか? これには脂肪細胞の数が関係しているといわれている。
からだの細胞には、脳細胞のように生まれたときすでに一定の細胞ができあがり(脳細胞は約140億)、年をとれば減る一方の細胞と、筋肉など結合組織の細胞のように死ぬまで分裂増殖する細胞がある。脂肪細胞は、このちょうど中間にあたる細胞で、思春期頃までは分裂増殖するがそれ以降はその能力を失ってしまう。
そして、この脂肪細胞がふえる時期というのが、(1)妊娠最後の3か月、(2)生後1年(特に初めのーか月)、(3)思春期、の3つの時期なのだ。この時期に脂肪細胞を増殖させる因子が加わると、肥満が始まるわけである。その因子には、遺伝や運動不足、ストレス、気候・風土などいろいろあるが、最大のものは過食だ。
この過食による刺激で脂肪細胞がどんどんふえていくと(これを増殖性肥満という)、脂肪細胞は死滅していくことが少ないので、そのまま大人の肥満に移行してしまう。中高年になっで太りだす場合の多くは、脂肪細胞の数がふえるのではなく、脂肪細胞そのものが大きくなるためだが、太った子どもが大人になると、脂肪細胞の数が多いうえに、一つ一つの細胞が大きくなるので過度の肥満になりやすい。やっかいなことに、この肥満した脂肪細胞は、減食療法や運動で萎縮させても、過食がもどってくると、すぐまた肥大してくる。
こう述べてくると、小児肥満が、いかにやっかいなものであるか理解していただけると思う。子どもが赤ちゃんの頃から、見た目に太ってきて、なかなかやせない場合には、早めに小児科に相談してみることが必要だ。
「太った親の子どもには嫁のきてがない」
ところで、太った親には太った子どもが多いとよくいわれるが、これはほんとうなのだろうか。いまのところ、肥満と遺伝との関係をはっきり現わすデータはないが、親が太っていると子どもも太る傾向があることは、まぎれもない事実だ。
たとえば、両親のいずれかが太っている場合、子どもの半数に肥満がみられ、両親がともに太っている場合、子どもの3分の2に肥満がみられるという調査がある。また、肥満児の80%は親のどちらかが肥満者、20%は両親ともに肥満者であるという報告もある。これに対し、両親が正常体重者の場合、肥満児は9%と少ない。
そのうち、「親が太った子どもには嫁のきてがない」などという時代になりかねないので、腹のせり出し具合の気になる人は、自戒したいものだ。