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肥満先進国アメリカでは細身が出世の条件


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太りすぎは出世のさまたげになる

 豊かな食糧事情が災いして太りすぎ社会が現出。中年男性の3割以上、女性なら4割を超える人が肥満による悩みをかかえている—これがアメリカの現実の姿である。そしてこの現実がさまざまな悲劇を生んでいるのだ。

 子どものいない2組の夫婦が1人の子どもを養子にしたいと裁判で争った。このとき勝訴したのがやせた組の夫婦。負けた方が「肥満体だから」というのが最大の判決理由だったというウソみたいな裁判結果がある。

 こうした裁判ならまだ笑ってすませられるが、太りすぎが出世に関係していると聞けばサラリーマン諸氏もうかうかできない。

 アメリカのビジネス社会では「太った人は出世できない」の通説がある。これを裏返せば、細身こそ仕事のできる人間の条件となるが、現実にビツグビジネスのエリートたちはスマートな容姿の持ち主が多いのも事実。特に企業のトップクラスともなれば肥満体をさがすのに苦労するといわれる。

結局、間われるのは自己管理能力

 アメリカの、ビジネス社会におけるこうしたスリム派志向は、その背景にきわめて現実的な論理が生きている。一つは自己管理能力。「自分の体重さえ管理調整できないものに部下の管理はまかせられない」という発想である。もう一つは企業のイメージ戦略。これは企業のトップクラスに要求されるものだが「テレビや記者会見の第一印象は外観が大切」というわけだ。

 戦後の日本は、生活システムから最先端科学技術までアメリカに追いつき追い越せでやってきた。そして今、わが国でも肥満が社会問題化しつつある。

 しかし、”肥満先進国”の仲間入りだけは、遠慮したいものである。

         

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